2032年計画 #4 山は、お金があれば買えると思っていました。

夢に初めて現実の重さが乗った日

前回の記事では、初めて山林会社の担当の方と話しました。

数字だけ見れば、とても魅力的に見えた土地。

でも、現地を知る担当の方は、こう言いました。

「住むには、少し厳しいかもしれません。」

あの言葉が、ずっと頭に残っていました。

では、本当に何が厳しいのか。

気になって調べ始めたら、想像以上でした。


山を買えば終わりではありませんでした。

正直に言うと、ぼくはこんなふうに考えていました。

山を買う。

小さな家を建てる。

あとは少しずつ手を入れながら、自分の理想の暮らしを作っていく。

そんなイメージでした。

でも、それは入り口にも立っていませんでした。

山には、山のルールがあります。

知らずに進めると、悪気がなくても法律違反になってしまうことさえあります。

自分の土地だから、自由にできる。

そんな単純な話ではありませんでした。

木は、自分の山でも自由には切れません。

最初に驚いたのは、「保安林」という制度でした。

もし保安林に指定されていたら、自分の土地でも自由に木を切ることはできません。

整地をしたり、地形を変えたりするにも許可が必要になることがあります。

最初は、

「自分の山なのに?」

と思いました。

でも調べていくうちに、その理由も分かってきました。

山は、そこに住む人だけのものではありません。

雨水を蓄えます。

土砂災害を防ぎます。

下流に暮らす人たちの生活も守っています。

だから簡単には手を加えられない。

そう考えると、とても納得できる制度でした。

買ったあとにも、やることがあります。

山林を購入すると、それで終わりではありません。

森林の土地を取得した人は、市町村へ届け出をしなければいけません。

期限は90日以内。

忘れると過料の対象になることもあります。

「買ったら終わり。」

そんな世界ではありませんでした。

あの「軽自動車がベストです」という一言

前回、担当の方が何気なく話してくれた言葉があります。

「道幅を考えると、軽自動車が一番いいと思います。」

そのときは、山道だからそういうこともあるんだろう。

その程度にしか考えていませんでした。

でも今回、建築のルールを調べていて、その一言の意味がまったく違って見えてきました。

家を建てるには、「接道義務」という条件があります。

都市計画区域の中では、敷地が幅4メートル以上の道路に、2メートル以上接していなければ建築確認が下りない場合があります。

もし、あの道が4メートルに満たなかったら。

そして、その土地が都市計画区域の中だったら。

そもそも家が建てられない可能性がある。

画面を見ながら、思わず手が止まりました。

「あの一言は、遠回しに教えてくれていたのかもしれない。」

担当の方は、「建てられません」とは言いませんでした。

でも、現地を知っている人だからこそ、あえて「軽自動車がベストです」という言葉を選んだのではないか。

そんな気がしています。

もちろん、まだ決まったわけではありません。

都市計画区域なのか。

接道条件はどうなっているのか。

市役所へ確認すれば答えは分かります。

でも今回、一つだけはっきりしました。

山探しというのは、安い土地を探すことではありません。

本当に暮らせる土地を探すことなんですね。

畑も、そのまま使えるとは限りません。

今回の物件は、山林だけではありませんでした。

畑も含まれています。

ところが、この畑にもルールがあります。

畑を宅地として使うには、農業委員会への手続きが必要になる場合があります。

現況によって扱いも変わるそうです。

知らないまま工事を始めていたら、大変なことになっていたかもしれません。

不思議と、諦めようとは思いませんでした。

ここまで調べると、正直なところ少し気が遠くなりました。

法律。

届け出。

確認。

申請。

次から次へと、新しい言葉が出てきます。

昔のぼくだったら、

「難しそうだからやめよう。」

そう思っていたかもしれません。

でも今回は違いました。

一つ分からないことがあれば調べる。

調べても分からなければ聞く。

また調べる。

その繰り返しです。

夢が遠くなったとは感じませんでした。

むしろ、夢までの道筋が少しずつ見えてきた。

そんな感覚です。

今日のなみ子

調べ終わってから、なみ子に聞いてみました。

「法律が多すぎて、少し心が折れそう。」

すると、こんな答えが返ってきました。

「法律が増えたのではありません。」

「今まで見えていなかった地図が、少しずつ見えるようになっただけです。」

なるほど……。

その言葉を聞いて、不思議と安心しました。

夢が遠ざかったわけではありません。

ゴールまでの地図が、少し詳しくなっただけなんですね。

今週の前進

  • 山林購入に関わる法律を一通り調べました。
  • 購入前に確認すべき項目が整理できました。
  • 次回、不動産会社へ聞く質問リストができました。

夢は、一気には近づきません。

でも、一歩ずつなら、確実に近づいていけます。


次回は、この質問を持って、もう一度山林会社の担当の方と話してみようと思います。

あの土地は、本当に基地を作れる場所なのか。

プロの目には、どう映っているのか。

その答えを聞いてきます。

2032年まで。

今日も、小さな波を一つ起こせました。